卒業証書をつくる3

nanbo62003-12-04

 コウゾの表皮をむいている。一番やっかいな仕事。授業時間はなるべくつかいたくないので,かわいそうだけど,昼休みと放課後に30分,この作業をしている。これがないと,随分と和紙作りは楽になるような気がする。逆に言うと,こういう作業があるからたいへんなのであろう。スパーバイザーの長崎喜一さんに「昔,よくこんなたいへんなことをしていたもんですね。」と言うと,「こんな面倒なことをするしか,他に食っていく手がなかったんだろうね。」と応えられた。かつて,炭焼きと和紙が盛んだった蛭谷。炭焼きも何度か体験してきたが,労力の割りには報われる仕事ではない。紙や炭は,どちらもそんなに高価に取り引きされるものではないのである。
 ケナフをまだ使っていたはずのファミリーパークがコウゾの和紙づくりを始めたと知って驚いた。前述の長崎さんに,「ファミリーパークがコウゾを使い始めましたね。」と情報を流したつもりで言うと,「おお,あらっ,おらんとこ来てケナフをやっとるっていうから,そんなんでいいがか。本物ならコウゾやろっておらが言うたんや。」と言われた。なんだ,ここでも師匠が関わっていたのか。まったく,うちの地区の区長は,恐るべき人物である。確かに,この人に出会ってから,南保小の活動はおもしろくなってきたのである。