伸びる理由

nanbo62003-12-14

 6年生を何度か担任してきた。数えてみると6回目になる。
 のびる時期というのがある。6年生でいえば,運動会の頃(富山県の東部では9月が多い),そして12月,最後が卒業間近の頃の3回である。逆に危ない頃というのが,4月,6月と11月である(もちろん,個人的見解)。最近,伸びてきたかなと思うのが,学習である。ちなみに6年生では「勉強」とは言わない。勉強とは,強いるという意味で,「(商売で)勉強させていただきます」というふうに,無理なことをするという忍耐的な意味が強い。学習の中に勉強が含まれると考えている。正直,苦しかった学習も,この頃はなんとかなってきた。小説がブームになったり,歴史の解釈をめぐる討論が生まれたり‥‥ようやく知的な側面が動き出したかなと思っている。今では信じられないが,5年の当初は漢字のプリントをすると平均で30点なんてこともよくあったものだ。学習塾に通う子もほとんどなく,うちの学校は教育産業とは無縁の純粋な地域である。学力的周辺児も少なくないが,最近は表情にも自信が見られるようになってきた。最大の要因は何だろうといつも考える。
 最大の要因は,この人数なのである。全員が発言する時間もあるし,プリントもすぐに返せる。もちろん,一人一人の特性も見えるし,マンツーマンでの放課後の指導も可能である。当然,たくさんの時間を学習に利用できる。
 アメリカでは18人学級が大統領選でのマニフェストになる。現在,一つの教室に30〜40人の子どもがいるのは,アジアのわずかな地域だけである。もしも,40人学級の実現を願っている方がおられたら,それは大きな間違いである。小規模であることが,6年教室,南保小学校の最大のメリットであることに意外に気づかない親も多い。俺たちの時は,いっぱいおったと言う昔とは現在の状況は全く違うのである。