ログハウス

nanbo62003-12-25

 南保小には,ログハウスがある。これはとても個性的な話であろう。いつか,忘れ去られるだろう,ログハウスのことを書いておきます。冬休みで教室日記も書くことないし。
6年生,9名の卒業制作,ログハウスが完成したのは,12月28日だったと思う。クリスマスの日に,ログハウスの戸を開けたら,父ちゃんたちが内装の工事をしながら,飲んでおられたのを思い出す。12月28日に完成記念バーベキューをやったのを思い出す。
 卒業制作に何をしようかと悩んでいた頃,当時,学校に来ていた農地林務事務所の広田さん(女性)が,案の中に「ログハウス」というのを文字にしていた。ボクは,「これ,できる?」と指さしたのを覚えている。そりゃあ,どうせ造るなら家一軒建てた方がおもしろいに決まっている。木を地区から寄付してもらうことになり,木を切りに行った。けっこうたくさんの木を切った。次に基礎を工事できる人を探した。当時のPTA会長さんの清水繁一さんが「できる」と言われたのは救いだった。コンクリもお金がないので,ミキサー車の余ったものをもらったりした。木材の加工は,当時,森林組合の小谷さんが仕事の合間にやってくださった。基礎をうち,木材をあげて,床やドア,屋根は宇田良一さんが昔,大工だった友達を連れてきてくださり,習いながら屋根やドアを作った。杉板を張った屋根はずいぶん雨漏りをしたが,クレオソートとコールタールを塗ることで,ようやく雨漏りが止まったのである。
 あまりにも壮大な卒業制作で,ずっと「本当にできるのか‥‥」という不安がボクにつきまとっていた。何よりも,棟上げの日には,平日にもかかわらず全員の親が仕事を休んで集まってくださった。こんなにも力強いバックアップを感じたのは初めてだったし,保護者の温かさを感じた1年でした。ログハウス友の会という父ちゃんたちとの飲み会が,忘れた頃に開いている。今でも,ろぐはうす(子どもたちは平仮名で名付けた)を見ると,あの頃の子どもたちの顔がそのまま思い出されるのである。生涯,最高の親子共同での遊びだったに違いない。