久しぶりに論文の世界

朝、ろぐはうすを後にして、午後から研修会に行きました。
富山で1年後輩の3月に大学院を修了される教員の発表会に参加しました。忙しい時期なので、参加者も少ないのですが1年間を一緒に過ごした後輩の発表を聞きたかったのです。ひさしぶりにアカデミックな世界に入ると、論文が読めなくなっていることに気づきました。学校現場の言葉は平易で、わかりやすく書かないと叱られる世界ですが、研究者の世界は、難しく書いて、わからないやつが悪いという風潮があって、数時間、頭を悩ませていました。
2本興味深いのがありました。子どもの攻撃性を診断する尺度を開発した福光さんと、総合的な学習を視点に教師の教育観が変わっていないことを指摘した鳥内さんの論文でした。福光さんの開発した小学生版BIG5は、国内でたいへん高い評価を得ているもので、南保小学校でも診断テストを4月から利用させていただいています。これによって、一見、攻撃性が高いと見える子が、そんなに高くなかったり、逆に攻撃性が低いと思われる子が意外に高いという結果がでます。
教育は、どちらかといえば勘や教師の主観的な捉え方で子どもを理解しようとしているところがありますが、客観性のある信頼できるデーターを得る必要があります。データーが全てということではなくて、より多くの手法によって子どもを理解しようというものです。
鳥内さんの研究では、総合が各学校でいかに適当にやられているかという指摘と、とくに中学校では理念を理解されずに、なんとなく実践されているという問題点が指摘されていました。興味深い内容です。
教育改革の柱ともいえる総合的な学習の時間。週に3時間も当てられている、この大切な授業をもっと真剣に考えて行かねばなという思いを新たにしました。